Dr.エクアドルのアンケートにお答えします。

今回の公演「腑恥屠魔屠記念日」にも多数のアンケートが回収され、賛否両論を含めた形でのたくさんのお客様の感想コメントが寄せられました。サービス精神の鬼であるDr.エクアドル氏は毎回可能な限りこれにお答えすることにしております。私どもにとってどのような解釈でご覧になるお客様も私どもの大切な宝物と心得ておりますが、このホームページ自体ゴキブリコンビナートの作品の一部であり、アンケートに対する返答すらこのページをご覧になる方には面白おかしく読んでいただきたい都合上、多少「客に対してなんだ」というような失礼な表現も見受けられるかもしれませんが、どうかご容赦くださいませませ。


●ずーっと立っていると頭がクラクラしてきます。のぼせた。
ロワゾ・ブルのように桟敷席でぎゅうぎゅう詰めでみるのとどちらが快適かという問題になるのですが、まあ、ふかふかのゆったりした椅子席で少し眠ったりしながら観るのが一番快適だとは思いますが、すると一人の客あたりの専有面積が広くなり、臨場感を感じ取れる客の数が限られてしまいます。むずかしいもんだいですね。立ってる方が楽だという意見も実はありました。

●人の波に押されてわきの階段におちてとてもいたいです。
すいません。劇場の隅の方にに役者の出入りする穴があいており、数人がそこに落ちたようです。3日目あたりから一応滑り止めの鉄パイプを用意したのですが・・・お客様の安全には万全の注意を払ったつもりでしたが・・・

●異常な性癖を持ってしまった人間の悲しい末路に胸が痛んだ。犯罪を犯すようなやつは他人を殺すんでなく己が死ねという極論には同感いたします。
しかし・・・しかしですね。私には疑問があります。死んでもいいという人間は殺してもいいのではないかと。殺される方はたまったモノではないのですが。そして、「じゃあおまえが犠牲になってみろよ」といわれても困るんですが・・・死刑を恐れない人間は欲望のために人を殺します。それで度々痛ましい事件が起こります。その人間は社会において痛烈に非難されます。そこには人間の生命は何よりも大事で、欲望の問題なんか卑小だという認識があります。果たして本当にそうなのかという疑念が今回のテーマとなっているわけです。

●演劇鑑賞以外の趣味−勤行(数人)
この項目に丸をつけている方が数名いらっしゃったのですが、勤行って意味分かってんですか。会社にまじめに通ったりすることではないですよ。意味分かっててふざけて丸をつけてる人と、本当に勤行が趣味の人との比率を知りたいです。
※参考 アンケート5.演劇鑑賞以外に趣味はありますか。 1.ない2.ギャルゲー3.J-POP鑑賞4.カツアゲ5.七宝焼き6.円周率暗記7.勤行8.その他〔  )

●好きな劇団−欲望劇場(和光大のですか?)
欲望劇場については私は何も知りません。昔折り込みに一度行かせていただいただけです。この欄の選択肢はただ、「ゴキブリコンビナート」など足下にも及ばない変な劇団名を並べさせていただいただけで、まさか○をつける方がいるとはおもってもいませんでした。欲望劇場の演出家は長州力子というらしいです。
※参考 アンケート3.ゴキブリコンビナート以外の劇団で好きな劇団はありますか。 1.劇団コーヒー牛乳2.劇団たまごやき3.劇団飛び道具4.女体道場5.踊る詩人の会6.欲望劇場7.醜団リンチ7.インディペンデントX8.その他(  )

●照明がとってもチープで・・・
第3回公演以来の灯体(舞台用ライト)なし演劇になってしまいました。吊ってあるのは全部ご家庭用電球!暗かったですか?

●うんこがにせもので良かった。
本当にみんなそれで良かったですか?私には未だに分かりません。

●クリーニング代をくれ。
請求してください。

●内容をもっと他の物にしてください。
他の物って・・・この人は趣味に就職をあげてますね。職を転々とされているんですね。それがしゅみだなんて!

●チェーンソーというか刃物はやめようよ。刃物は!
チェーンソーというか刃物については反響が大きいですね。非難が。

●みた後に何か重みが残りました。
台湾人云々で重くなったとしたら、それは誤読です。実は台湾問題には私は何の関心も抱いてません。だから、今回のラストに関してはかなり強い迷いがありました。もしかしたら誤解されるのではないかと。そして、誤解されたわけです。

●もっと客をアオってくれるとよかった。手ェ上げろと言われればあげましたよ。
先ほど自分の知っている最大限変な劇団名を列記したと言いましたが、この方の好きな劇団はなんと「チンポ輪切り」だそうです。す・・・凄すぎる。チケットを注文するとき「チンポ輪切りを一枚」とかいって注文するんでしょうか。客との一体感など糞食らえと思っているのでそんなにはアオりません。

●Dr.エクアドルLOVE・
やったー。しかし、この方は男性なのでしょうか。女性なのでしょうか。女性に名指しでラブコールを受けたのだとすれば、第五回公演「鳩が出ますよ」以来です。すると、4年に一回はそういうこともあるということか。演劇界でブレイクするためには、女性の疑似恋愛の対象となるという一つのやり方があります。女性たちにキャーって言われるようなスターを生み出すことです。実際多くの劇団がそうやって動員数を増やしています。そういう路線ともっとも遠い世界にいる我々もたまには女性にファンだといわれたい・・・しかし、やってることと言えば・・・今回も主役級の男優はオタク。私はパンチパーマです。内容はもてない男の子たちの気持ち悪い性欲の形です。まるで女性に好感を持たれることを意図的に拒否しているかのようです。そんなつもりはないのですが・・・

この方の趣味は円周率暗記だそうです。円周率暗記デートはイヤだなあ。

●移動する台は最初おもしろかったすけどそれだけ舞台がせまくなっててスペクタクル面での面白みが減っていたと思う。何のテーマなのかが分かりにくく、少し頭を使ってしまったので、疲れた。

ハイジの胴体にはもっとおなかの丸みがほしかった。スピロ平太さんをもっとみたかったです。
この方は自分のホームページを使って我々の活動を応援してくれる牛庭通信の人ですね。いつもはべた褒めだけど、今回はいまいちのようでした。

●牛娘もう1人ほしかった。
牛乳浴びたかったですか?

●理に落ちすぎ
わかりやすいストーリーを余すところなく客に伝えることをいつも心がけていますが、今回はわかりやすいという意見と分かりづらいという意見にまっぷたつに分かれてしまいました。私的にはどうなのかというと、失敗したかなあと言う気持ちも実はあります。ただ、今回の台本の気に入っているとことはラストのやや長めのとってつけたような長ゼリフをのぞけば、ほとんど短い掛け合いだけで芝居が進行していくところです。台本を読むと分かるのですが、2行以上のセリフがほとんどありません。これは私にとっての正しいえんげきの形です。いつもはもっと入れている説明的な身の上話などない方がいいんです。なぜなら、演劇はある状況設定に従った会話で進行する物だからです。その点では初めてうまくいったと思っています。その犠牲になったのか、ストーリーが不透明になってしまったのかもしれません。入り組んだ話を書いているつもりは毛頭ないのですが・・・

●ぜんぜんじゃん。もっとやるかと思った。
すいません。こういう意見が一番つらいです。力量の限界をみられているような気がして・・・

●慣れたぽいです。

●初めて観させて貰いました。多分回を増すごとに前より過激にしなければとアセリがつのっていくのだと思います。いちげんさんは充分楽しめるのでしょうが、このスタイルをとり続けるとリピーターも新鮮味がなくなり、離れていくのではと思います。仕掛け等本当に凄くて尊敬します。でも内容はコワいだけで、空虚だった。何かすごくもったいない。天才を感じたのでその天才のベクトルを安直でない方向に向けてほしいです。
いつも初日の幕が上がるまでにいくつもの挫折があります。今回、準備を始めるときにはいくつか実現したいことがありました。それは
1. ロリコンがテーマなので本物の幼女を出す。そして、脱がし、泣かせるぐらいはやる。
2. 本物のヨーデル師(できればスイス人)にヨーデルを歌って貰う。
これらは、ついに実現できませんでした。ここまでやってこの沙羅唾記念日は完成なのですが完成形をついにお客様に提示することはできませんでした。なぜそうなったかというと単純に資金的な問題です。あと100万円あればできただろうと思います。つまり、ゴキブリコンビナートが1000人を動員できる劇団であればできたことです。まあ、いいわけになってしまいますが。でも、少しずつ状況は良くなってきており、内容も少しずつ進歩している物と思います。アセリではありません。また、次の作品では、今まではできなかったことができるようになり、また、いくつかの心残りがあると思います。やりきったという満足が得られる日はいつなのか分かりませんが、その日がくるまではこのスタイルで行くと思います。もっとやれと要求する客に「もっとかよー」とため息をつきながら応えていくようなイタチゴッコがあるわけではないのです。

●セロトニンさんへ リタリンのほうがいいです。

●トフラニールよりデプロメールのほうがセロトニン系だよ!
ゴキブリコンビナート歴代の役者で鬱病患者はこのセロトニン瘍子さんで3人目。躁鬱病患者は3人。いったいどうゆうことなんだろうか。私自身には全くその兆候はないので、作品に鬱病患者の心象が反映されているはずもなく全く不思議です。でも、こんなに役者陣にいるはずだから、客にも何人かいるはずだと思い、あのふざけた司会者のシーンを書いてみたのですが、思った通りこういう反応があったわけです。全く不思議ですね。私自身に関して言えば性格的にもアバウトでいい加減で鬱病にかかるタイプと正反対の人間形成になっております。

●明石スタジオはよく受け入れたと思います。明石スタジオ万才。
明石スタジオの人は我々の撤去時に激怒していました。説教されました。もう2度と借りれないでしょう。これでもう借りれない劇場は神楽坂ディプラッツ、中野テルプシコール、荻窪アールコリン、アートグラウンドエウロス、アルテパティオ、パンプルムスにまた一つ加わることになったのでした。

●チュチュであんな動きする人たちもはじめてみた。
私は暗黒舞踏大好きで、今までで楽しめた演劇作品よりも舞踏作品のほうが圧倒的に多い。昔はワークショップにもよく行ったし・・・大駱駝艦大好き!でも、芸術と勘違いされるのは嫌なので自分の作品には舞踏的な動きをあえて入れないようにしていた。しかし、ゲルディスコあたりから振り付けが弱いとしきりに言われるようになった。それで悔しくなり、封印を解くことにしたのです。今回から本当に自分の好きな動きをダンスとして入れるようにした。すると、あまりにかっこよさげな曲にかっこよさげな動きが絡む感じになり、気分が悪くなってきたのでバレエのかっこさせたり、花札のニプレスをつけたりして多少はばかばかしい感じになれたと思います。

●ラストのくだりの馬鹿馬鹿しさがつたわりづらいようにも思いましたが・・・
それが先程述べたように迷った点なんです。ギャグとして、パロディとしてあまりに「レベルが高い」ので本当に私たちがメッセージを訴えようとやっていると思われてしまうのではないかと。私の中ではフランク永井の「おまえに」を唐突に歌い出すのと同じ扱いです。これをたとえば原発ネタぐらいに留めておけば伝わったと思います。でも、自分が客として観たときにあのシーンこそ大笑いだと思うので、自分を納得させるためにやってしまいました。客の何人かはつらかったろうと思います。

●へたで切なくなった。
確かにへたですが、今日、第三舞台のシーンをテレビで見ました。ああいうのがうまい演劇なんでしょうか。私にはよく分かりません。演劇的発声で演劇語で書かれたセリフを異様にきっちり述べる。体の動きに小道具が回りきれないので、スピーディーなセリフ回しにコントチックなパントマイムが連動する。とても気持ち悪いです。歌舞伎的な様式美すら感じます。森重久弥や岸田今日子の演技はうまいと思います。

●もっと汚くてもいいと思います。
私もそう思っています。がんばります。

●音楽が一曲いいのがあった。ドドーンドンってやつ。ハイジの顔が良かった。
この方はDJ Chan−Kと名前の欄に書かれています。本当にDJなんでしょうか。DJというもっともイケてるジャンルの人間が演劇なんか観ていいんでしょうか。演劇ってもっともイケてないからね。この方からはメールも届いているので、ホームページを確認することができましたが、結構かっこいい系じゃないですか。うらやましいですね、DJ。もててもてて困るって感じで。演劇はもてません。いや、もててもてて困る演劇人もいるんですけどね。多分冒頭の曲についてのコメントだと思うんですけど・・・ゴキブリコンビナートのすべての曲はコルグのM1内蔵のシーケンサーでアカイのs01というサンプラーを鳴らす、という音楽関係者だったら分かると思うんですけど、あり得ないくらい低次元の楽器編成で作られてます。今時そんな編成でやってる人いないよね。おもちゃで作曲!ミュージシャンだったら許されないことでも演劇人だから許されると思って勝手にやってます。冒頭のうるさい曲は、ディー・ワルゾーの「ディスコ・リジッド」というアルバムの「マン・イズ・ミート」という曲のカバーです。エレクトロニクス・ボディ・ミュージックです。知ってますか、ボディ・ミュージック。私が二十歳ぐらいの頃盛り上がっていたジャンルです。多分、君たちが小学生だったくらいの頃のサウンドだよ。パンコウとか、レボルティング・コックスとか、マイ・ライフ・ウィズ・スリル・キル・カルトとか、いろいろいたなあ。好きなバンドが。でも、そのムーブメントは当時からいけてなかった。エル・レーベルのルイ・フィリップとか聴いてる友達にさんざん馬鹿にされたっけ。そんな、青春時代から音楽の趣味が悪い私のオリジナル曲をDJという音楽の最先端にいる人に誉められていいものか。うれしいけど、なんだか後ろめたいです。

●お話がよく分からなかったのが痛いですな。
前述の通り、わかりやすいストーリーを余すところなくお客様に伝えることが至上命令の私たちですが、こういう意見がでてしまい、とても残念です。でも、分かりやすかったという意見もあり、人それぞれなんですね。次回はもう少し分かりやすくします。

●小屋の中に入ったときのお化け屋しきに入る感かくにもにたドキドキが良かった。内容は、初めて観たが、まあ想像を超えないものだった。クイックジャパンの内容に興味を持ってきたのだが、ワークショップに参加した方が楽しそう。結構演劇してるなと思った。ただ、最後の教訓めいたのが無駄。何かたってるのって感じです。内容からみてむりやりすぎ。なんか、いっきにさめた。いつもあんなふうに語ってんですか?ダサ。あんな誰もが言ってる当たり前のこというならそのていどですね
あのラストシーンの「教訓めいたやつ」に関しては、軒並み評判が悪い。「自分」を客として設定しすぎたのだ。多くの客は「何で?」と思ったことだろう。私たちには訴えたいことなど何もない。ただ、ステレオタイプ的なものへの偏愛がある。戦争時には必ずレイプ、略奪等、圧倒的優位者による欲望の放縦状態があり、虐げられたものの怒りの言説がある。そして、どちらもステレオタイプであり、世の中をよりよく変えていく上で何の効力も発揮することはない。それにも関わらず、蹂躙は起こり、メッセージを発するものも絶えることはない。私はそのことに思いをはせることが単純に好きなのです。あのシーンはそういったステレオタイプ的なるものへの偏愛の表明であり、私の全作品に見受けられる、政治的、教訓的言説(「俺たちがダメなのはのは小渕のせいだ」「水子供養を欠かしてはならんぞ」「俺たちの村がゴミに埋まってしまった」)は、そこからくるのですが、今回、ステレオタイプ批評としての次元が高すぎたように思われます。くだらないことを自覚した上でやっているのが分かりづらかったように思うのです。失敗だったかもしれません。それでも、なぜやってしまったのかというと、観客としての自分へのサービスだったと思います。たまにはいいじゃありませんか。

●最後のオチが戦前の日本国批判とは笑止千万。歴史認識にも誤りが多い。戦後民主主義に毒された作者は哀れでもある。一見変態を装い、その実こういった政治的、道徳思想を吹き込もうとする姿勢は、悪質ですらある。反省しなさい。
反省しています。上記のような理由によって。つまり、わかりにくいふざけ方をしたことに関して。台湾史の認識の誤りについては、柳本通彦氏の「台湾先住民・山の女たちの「聖戦」」(現代書館。そそられる題名ですな)宮本延人ら著「台湾の民族と文化」(六興出版。アタヤル族は自殺が大好きとかすてきな情報満載!)に書いてあることをそのまま鵜呑みにして書きました。ほとんど抜き書きです。たまたま読んだこの2冊が嘘だったと言うことになりますね。他には何も読んでないのでいい加減な取材だとお怒りになられるのももっともです。台湾人は韓国人などと比べて親日派が多いらしいですね。だから、日本への怒りをぶちまける民族の選択としてあまり適当でなかったかもしれません。それなのに何で台湾を選んだのかというと、ふつうの中国人(漢民族)しか住んでないと思っていた台湾に首狩り族みたいな土人が実は住んでいて、しかもその名称が高砂族とかいう素敵な名前だったりするのがとても気に入って、いつか取り上げたいと思っていたからです。本当に日本が台湾先住民族を抑圧したのか。真相は分かりません。っていうか、私にはどうでもいいことです。ただ、怒っている土人を描きたかったのです。おもしろくなかったですか?

 ちなみに私は戦後民主主義なんかに毒されていません。道徳思想を吹き込もうとなどしてません。戦後民主主義に基づいた発言がすべてステレオタイプになるという事実を面白がろうとしたのです。道徳思想を吹き込もうとする姿勢が現実に対して全く無力ですごくマヌケな姿をさらしてしまうことを楽しもうとしたのです。面白くなかったですか。私は面白いです。

●ゲル状物質が好きです。
私も好きです。いっそ大道具なんかなしでゲルだけを舞台美術に芝居を一本書いてみたい。でも、そこまで大量のゲルを使用させてくれる場所がなかなかないんです。

●夢(ハイジのおむつを取り替えること)が実現できてよかったですね。
できた作品についてどのような解釈も基本的にはOKなので、あまり言いたくないですが、一応私の意図としては、

おむつは取り替えられなかった(友達の歌丸、ドモリは取り替えさせてもらえた)→一応ハイジに慰めの言葉をかけてもらえてほっとした。→でも、その話の流れ自体ゲームに没頭しきった鈴木俊一という1人のオタクがみた夢想であることも暴露されている→そのゲームを作成した台湾人の操作で鈴木俊一(テリー)へのチェーンソーによる処刑がおこなわれる。→夢と連動して現実の鈴木俊一も「ありがとう、ハイジ」という言葉を残して死ぬ

というストーリーなんですが・・・伝わりづらかったですね。

●よくあんなかわいい娘が集まりましたね。
ゴキブリコンビナートの役者はかわいいとよく言われるんですが、とても不本意です。その女優が肌を露出しても男性客の誰も得した気分にならない程度のルックスが私たちの作品にはちょうどいいと思っています。どうもそうなっていないようです。そういうわけでブス募集(できれば脱げるブス)!中途半端でなくふくよかな方も歓迎!次回公演で現女優の誰が一番かわいいかアンケートをとってその女優と入れ替えます。ブス大好き!もちろん実生活ではつきあったりしないけど。

●くれぐれも観客参加型にならないことを祈る。
私たちが時々やる客いじりはあくまでおまけシーンで、客いじりを売りにしてるつもりは全くありません。ステージがキャスターで動く演出も、通常の演劇において形成されるステージから遠い人と近い人との格差を考え直そうという態度、および演劇というジャンルの特徴である立体感を強調するにはどうするかをいろいろ考えた上での結果であり、先程も述べたように客との一体感、連帯感など糞食らえと思って作っておりますのでご心配はご無用です。

●きちんとガソリンは入れましょう
チェーンソーが後半に行くに従って動かなくなるのは、様々な液がかかってエンジンがかかりにくくなるためです。ガソリン切れではありません。いつもこんな風に欲張っていろんなことをやろうとするため(チェーンソーも出したいし、母乳の雨も降らせたい)で、緩衝しあって円滑に行かない部分がでてきます。それが間延びした感じにつながっていくわけです。でも、それは力量不足のいいわけですね。ああ、早く大金持ちになりたい。

●ミュージカルを観たのは「ミス・サイゴン」ぶりです。今公演のほうがステキでした。

●よりミュージカル的になっていて楽しめました。
ありがとうございます。とてもうれしいです。

●照明、音響よくなってました。
照明は今回、プロの照明家が我々から手を引いたので完全電飾演劇になってしまった。すると益々資金的に楽になったんです(プロは地明かりだけで10万とる。その金ですごい数の電球を買える)。それでほめられるんだったらプロの照明家なんか要らないですね。

●ロワゾ・ブルの切ない感じの方がスキ。
前回はしみじみしたホーム・ドラマという感じでしたが、今回はグロウイング・アップって感じの脳天気な青春コメディになってしまいましたね。次回はまた雰囲気が変わるでしょう。

●動物の死体くらい出してください。
動物の死体だけが舞台美術ってのもいいですね。考えときます。

●もっと想像力に働きかけないと
言葉よりモノの方が説得力があると思ってしまうのはIQが低い証拠でしょうか。私の芝居って含蓄のない芝居ですよね。でも、何の含みもない元も子もない感じっていいと思いませんか?

●中学演劇部のこもんのセンセーに奨められて来たのですが・・・
あなた、中学生ですか。中学生は観てはいけません。中学校のセンセーも観てはいけません。本当は誰も観てはいけません。ただ、大人は観てはいけないモノを観ても見終わった後には自分なりに冷静に消化して、羊のような善良な市民に帰る処理能力があるのです。私の作品は世の中に何の役にも立たない害毒を垂れ流しているだけです。人格形成に何のメリットもありません。前衛芸術が情操教育に役立つとか思っている進歩的な教育観に口を挟むつもりはありませんが、私の作品はそういったモノではありません。ピカソのゲルニカとは分けが違うのです。子供はパパ・タラフマラでも観てればいいのです。私は珍しくまじめになっています。虚無主義的な子供を増やしたくなければ今すぐやめてください。ただ、あなたが、たとえばそのセンセーの中学校のOBだったり、同僚だったりして、こっそり教えて貰ったのだとしたら大いに結構です。最近、学校の教師がテレクラ行ったりして非難されてますが、私は、教師といえどもただの職業であり、プライベートで多少公序良俗を乱すようなことをしても、特別非難に値しないと思っています。ただ、教育の現場でそれが行われているのだとしたら問題です。

●オーディションにはちんちんも含まれるんですか?
含まれません。っていうか、入りたいと言って来た入団希望者を断ったことは一度もないし、オーディションなんかやったことありません。

●今度はビールをまいてください。
すごいですね。ビール、平気ですか。私はビールはかけられたくないですね。しかも公演2日目からビール臭が劇場内に立ちこめるなんて・・・強者ですね。尊敬します。もちろん、ビールなんてまかないので、これを読んでいる方、ご安心ください。

●ゴキブリさんに欠けている演劇的要素はズバリ、第三の壁です。演劇空間の移動も好きですしやっていいと思いますが、(具体的な壁でなくても客がそう感じられるもの?)、もっとリアルな表現も許されるし、少なくともうすら笑いで劇に向かっている大多数の観客を真剣にむかわせられる気がします。
ゴキブリコンビナート初期は額縁演劇だった。額縁演劇とはプロセミアム・アーチによって仕切られた空間内で行われる演劇のことであり、上手があり、下手があり、舞台奥があり、舞台前があり、文字幕が照明を切り、袖幕が上下の役者のスタンバイを可能にし、SS(サイドスポット)を隠す。ゴキブリコンビナート以外の劇団の99.9パーセントが何の疑問もなくこの額縁演劇をやっている。もちろん、額縁演劇からの抵抗を試みた劇団もいくつかあるが、寺山修司関係や黄色舞伎団(最近は「おむつー」とかいう名前らしい)といった前衛とか実験とか抽象芸術とか左翼とかいった感じのものが多く、娯楽性に乏しい。ストーリーを持ったドラマでオールスタンディングというかここまで額縁性を破綻させた例はそうないであろう。

 とにかく一方向からの見えで演出することをさけようという気持ちが常に私にはあるのですが、それは、平面に還元されることへの抵抗なのだと思います。平面に還元されたとき、演劇は視覚ジャンルとしてはとても地味でショボいモノに変わってしまうと思われます。何でそう思ってしまうのかというと、映画やマンガ、テレビ、写真が好きで、好きな演劇作品より好きな映画作品やマンガ作品が多いからだと思います。演劇はズーム・アップもできないし、一瞬の場面移動もできないし、CGも盛り込めないし、制約だらけです。昼間の野外のシーンを台本で書いても本物の青空が背景に出現したりしません。自動車もクラッシュしません。ヘリコプターも飛びません。ビルも倒壊しません。ジュラシック・パークを演劇化したらどんなに地味になるか想像してみたら分かると思います。演劇を地味で渋い趣味にしないためには、他の視覚的ジャンルとは質的に異なる努力をしなくてはなりません。たとえば、五感を総動員させる(せめて五感を総動員しているような錯覚に陥らせる)とか・・・自分が今存在している場所も含めた空間全体が作品化されているような錯覚を作るとか・・・

 ふつうの演劇が売れてリッチになると必ずたどる道−例えば照明当てを紗幕の前後で切り替えて効果的な場面転換を行うとか、ホリゾント幕に絵柄や模様を映し出して雰囲気をだす(大火事のシーンは赤いメラを当てて炎の感じを出す)とかいうやり方には全く魅力を感じません。

●いろいろ工夫が見られましたが、「おむつ替え」の場面では、女性で十分にやってほしかった。
男を女に見立ててエロチックな行為をするという寒さこそがあのシーンの目的なのです。欲望にとりつかれた男の情けなさを感じてほしいのです。ただ、芝居を見て性的興奮を感じたいのであれば風俗にでも行ってください。

●看護婦役の娘がかわいかった。
看護婦役は今回出てないはずですが・・・あなたには見えていたのですね。お大事に・・。

●芝居にしようという考えはないのですか。私は芝居として作っていった方がいいと思います。
それとは逆に「案外ちゃんとストーリーがある芝居をしててがっかり」という声もあります。チラシや噂でバラエティ・ショー(演芸)やパフォーマンスのようなモノを期待して来てしまったんでしょう。

●長くて疲れた
今回の作品は1時間15分ぐらいが適正な長さだったろうと思います。内容的に出し物的にそのぐらいで正しい作品密度になると思われるからです。実際の公演時間は1時間30分〜40分になってしまいました。これは私たちの現在の力量的な限界です。あるいは努力がまだまだ足りないということなのかもしれません。

●美術班にめぐまれているのか衣装や道具が気にいるものばかりでした。
ありがとうございます。美術班はすべて役者陣です。縫い物、材木の発注、ラテックス塗り作業、電飾配線。すべて役者の手によって行われます。本当は私の気持ちが分かってくれる職人みたいな人が欲しい。出会いたい。いつも思っていますがなかなか出会えません。


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