ロリータパンクという名のほのぼのロックについて
CHARA+YUKIが売れている。CHARAとYUKI、日本を代表するロリータ声の夢の共演だ。私は別にどちらのファンでもないので、別に聴かないし、どうでもいいことなのだが、心のどこかにCHARAとYUKIの間に線を引きたい気持ちがある。CHARAは聴かないが、別に聴いてる人間が友人になってもいい程度の好感はある。YUKIにはない。かつてあったジュディマリのファンってどんな感じだろう。きっと地味な男性が多かったのではないか。イメージとしては「ときめきメモリアル」のようなギャルゲーを買いあさるタイプだ。「♪なによりも〜大切なこと〜」素朴すぎるその詞世界にセックス&ドラック&ロックンロールはない。さすが「GLAY」の佐久間氏プロデュースだ。そこにあるのは「癒し」だ。今流行の。
ところでロリータって何だろうか。90年代初頭のロリータファッションブームはとっくに終息している。未成熟な女性にしか性的興奮を感じないタイプの男性がいる。キリスト教社会ではそれはSMや同性愛以上のタブーとされている。ここでいうロリータはそういうおぞましい変態世界とは何の関係もないだろう。なにしろ「癒し」なのだから。むしろ、そういったセックスと暴力で汚れまくった現実世界からの一次的な逃避をかつてのロリータファッションブームなり、ロリータパンクなりは示しているんだと思う。ただの清純派のブリッコポップじゃねえか。どこがパンクなんだ、と言いたくなるが、ブルーハーツ、ジュンスカイウォーカーズの頃から日本のパンクはほのぼのロックだったのだからしょうがない。ジュディマリは活動停止し、いよいよこの手のバンドは消えて行くかと思いきや、YUKIはNINAというニューバンドで活躍。謎の太ったおばさん外人(有名な人らしい)とデュオを組み、ヒット。さらにどう考えてもフォロワーなバンドがぞくぞくデビュー。東北系のものすごい和顔のため(実は西日本の人らしい)どんな派手な格好をしても田舎臭さが抜けないTAMAが魅力のヒステリック・ブルー。そばかすにアフロヘアの「なぜ、今、アニーなの?」という疑問も意に介さずの快進撃、NATSU率いるセンチメンタル・バス。今後もどんどんこんなバンドが増えていくのだろうか。勝手にやってくれ。
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