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no.83  Jポップダメサイト (03.7.7

 さあ、今回のテーマは「Jポップダメサイト」。ネット界のダメなJポップ評論サイトを探してこき下ろして喜ぼうではないか!Jポップ評論サイト評論を試みてみようではないか!え?

 お前のサイトがいちばんダメ。ダメサイトとはまさにここのこと!

 ああ、どこからか声が聞こえてくる。いいんだよ。自分のことは!ダメ仲間を見つけて安心したいんだよ。こき下ろすことで癒されたいんだよ。そういう人間なんだよ、俺は。

 そういうわけで、なんかいいサイトがあったらメール下さい。いやいや、そんな他力本願な事ではいけないな。とりあえず、今回は(ってあたかも次回があるかのような書き方だが)気になる3つのサイトを取りあげてみよう。 


先ずは
"The .mailmagazine of NTYC-WORKS"http://www.emaga.com/bn/bn.cgi?ntyc

 「毎週発表されるCDランキングを対談形式によって批評。毎週対談相手が変わる可能性が高いので、マンネリも無し 」だそうだ。トップテンの全順位に毎週ちゃんとコメントをつける「まめさ」は感心する。歌の巧さには一言あるようで「倉木麻衣は高音部がこもる」「ガーネットクロウは高音部の音の伸びが独特」とか私には全く分からないポイントの指摘がある。耳がいいんだね。そもそも私は上手い下手とかよくわからない。上手いとか下手とか言い出したら物心つかない頃から英才教育施された声楽家が一番巧いって話になるんじゃないだろうか。そういうものでもないのかな。よくわからん。ちなみに中島みゆきはへただそうだ。一見辛口コメントが並んでいるようだが、「b’zは雑音」「ジャニは下手」みたいな感じで目から鱗が落ちるような指摘はない。「山崎まさよしで癒される」「平井堅の『life is・・・』は完成度高い」「森山直太朗の曲は完成度高い」みたいな個人的には全く実感の伴わないコメントが並んでいるな。「こいつら絶対ミスチルも好きだろう」と予想を立てて過去ネタさかのぼったらやっぱりほめていた。パンピーの一番退屈な部分をある意味象徴しているセンスだな。まあ、俺だってパンピーだし、パンピーが悪いって事ではなくて、なんていうのかな、偏差値が55〜65ぐらいの人が商業高校の人を見下しているみたいな退屈さっていうか。
ダメ度★☆☆☆☆

次に
今週の首ったけ

「テレビ画面の中のアーティストの真実を鋭く浮き彫りにする抱腹絶倒コラム」だそうだ。30代の女性の方が書いてるようだ。主婦?勿論曲の分析などはなく、ひたすらゴシップ(誰と誰がつきあってるとか誰と誰が仲悪いとか)とタレントキャラの話題に終始している。女性セブンとか女性週刊誌読みまくってるね。正しい30代女性のありかただな。しかし、曲の完成度がどうこうよりもアーティストのキャラ立てのインパクトを重要視し、言動の突出した人物には目が釘付けになるというのは共感できる。しかし、アーティストのキャラに迫るため「HEY!HEY!HEY!」「歌の大辞テン」「ミュージックステーション」、さらには藤井隆のやつまでほとんど見逃さずチェックしていて、とても太刀打ちできない。さすが主婦!脱帽だ。アーティストの言動へのツッコミは鋭く、説得力があり、「抱腹絶倒コラム」というキャッチはどうかと思うが、今回の3つの中で一番楽しく読めた。森山直太朗はいい味キャラらしい。俺、まだ身たことないぞ。そんな感じでJポップ系の歌番組が今すぐにも観たくなる素敵なページだ。しかし、コンテンツをみると5月のコラムに最終回って書いてある!残念!
ダメ度★★★☆☆

最後に
歌謡曲の教育学

学者さんサイトだ。どっかの教育学部の助教授が、「近頃の若者のメンタリティを把握し、よりよい教育を目指すため」ヒット曲を分析するという趣旨のコーナー。だから本人はきっと音楽それ自体にはハナっから興味ないし、思い入れあって聴くこともない。そんな目的で若者文化分析がなされたとき、若者が賛同するような的確な分析がなされた例しなどないし、概ねとんちんかんなコメントに終始するものだ(例えば「現代用語の基礎知識」の「若者言葉」のコーナーの記事のことごとくがポイントを外しているように)が、もちろんこのサイトも例外ではない。このようなコラムはコメントの間抜けさ加減を楽しむに限る。ここでは多くのヒットの理由が長引く不況との関連で説明され、例えばストロベリー・フラワーの「愛のうた」(ピクミンのやつ)の「食べられる」はリストラを象徴し、キンモクセイ、島谷ひとみのレトロ感覚はバブル前夜への回帰であり、不況がもたらした現実逃避的な気分を表しているらしい。うん。本当かも知れないね。
ラップというのは、西洋版念仏とでも言うべき、音楽に乗せて早口でしゃべるように歌う(歌うようにしゃべる?)音楽である
音楽に疎いおじさん達向けの説明もナイスだね。
未熟さと完成度を兼ね備えた松浦亜弥は、女性が強くなった時代に支配欲と依存心の間を揺れ動く男性たちに支持される、新世紀のアイドルである

女性が強くなった時代に取り残された秋葉原系男子に支持される旧タイプアイドルの反動的ヒットだと思ってたんだけど、違うんだね。
ZONEのヒットは時代の停滞の象徴なのか、それとも変化の兆しなのか。答えはまだ出ていない。
ZONEのヒットは何も象徴してないと思うよ。
不況が続く新世紀日本では、安定した三高男よりも、貧しくても一途な男の方が魅力があるということなのかもしれない。
これは三木道三の分析。三木道三にモテの最先端を見ない方がいいと思うよ。
センチメンタリズムを許さないスピード感のある曲
これはバンプオブチキンへのコメント。めちゃめちゃセンチメンタリズム感じるんだけど。
−こういう分析の欠点は一曲流行る毎に若者の全意見を象徴しているように錯覚して、いちいち「だから近頃の若者はけしからん」「だから近頃の若者もなかなか捨てたもんじゃない」と反応してしまうことだ。若者100人に1人がCD買っても大ヒットになるのだ。だから本当は支持層が乗り遅れた人たちなのか?イケてない人たちなのか?隅っこにいる人たちじゃないのか?みたいな可能性を気にしてないと間違えてしまう。そして、そういう層がどうして発生してしまうのかを考えたとき初めて不況云々みたいな要因が浮上してくるのではないか。だから歌の流行は時代と逆行するものが出てくることも多い。そういったわけで多様性を意識しないと自分より下の世代の流行のニュアンスを計ることは出来ないと思うんだけど、どうしても年をとると若者がみんな同じ顔に見えてきてしまうんだな。
でも、一番正しい態度は自分と違う世代のものに対して、わからんものは「わからん」興味のないものは「興味ない」と明確に示すこと。これが一番墓穴を掘らない。でも、教育に携わるものとしてそれはNGなんだろうな。これで教育という職種の本質的なくだらなさが明示されるってもんだ。
ダメ度★★★★★

そういうわけで今回のダメサイトダメダメチャンピオンは「歌謡曲の教育学」に決定!!

 



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